ウクライナ人留学生と日本人学生によるウクライナの魅力を紹介するパンフレットが完成

ロシアの軍事侵攻が続くウクライナからの避難民学生で、2022年の9月から武蔵野大学ランゲージセンターの受入学生として日本語を学んでいるリリア モルスカさんと、グローバル学部グローバルコミュニケーション学科4年 山岸咲亜さん、菊地里帆子さん、法学部政治学科4年 岩井雅治さんは、ウクライナについて紹介するパンフレット『ソーニャシニク(ひまわり)』を制作。2022年10月より制作を開始し、この度2月10日(金)に完成しました。パンフレットは1,000部制作され、近隣の教育機関や公共施設等に設置予定。さらにWeb上でも公開されます。

(左から)岩井さん、リリアさん、山岸さん、菊地さん

母国ウクライナで日本語学校を設立するという夢を持つリリアさん。日本語の上達のためにドナ・ウィークス国際センター長の呼びかけにより集まったゼミ形式の交流会に参加しています。日本人学生3名はリリアさんと交流しウクライナのことを知っていく中で、「もっと多くの人にウクライナについて知ってほしい」「ウクライナについて興味・関心を持ってほしい」「ウクライナについて知ったことを形にしたい」という思いからこのパンフレット制作のプロジェクトが始動しました。ウクライナに対する知識のスタートが「戦争」ではなく「魅力」となるように、そしてウクライナのことを世界の人々に知ってもらうことが平和に繋がるのではないかとの思いで制作したそうです。パンフレット名である『ソーニャシニク』はウクライナ語で「ヒマワリ」を意味しています。パンフレットの表紙にも描かれているヒマワリは、ウクライナの国花で、少しでも早く平和な日々が訪れるようにとの願いが込められています。

パンフレット制作時の様子

パンフレットは日本語の他、ウクライナ語、英語の3カ国語で記載されており、より多くの人に読んでもらえるようになっています。ウクライナの基本情報のほか、「文学」や「歴史」など11のテーマでウクライナについて紹介。「言語」ではキリル文字を使用したウクライナ語の基本フレーズや、ウクライナ民話などの「文学」、「食事」では伝統料理を紹介しています。実はウクライナが発祥と言われている「ボルシチ」や、水餃子に似ているウクライナの国民食「ヴァレニキ」はレシピが掲載されているのでウクライナの料理に挑戦することもできます。さらに「行事」や「民族衣装」、「音楽」、「美術」、「スポーツ選手」、そして「観光地」などの親しみやすいテーマから、「歴史」ではロシアとの関係も知ることができる内容の濃い一冊となっています。
今後学生たちは、パンフレットを通して多くの人がウクライナの様々な姿を知ってもらい、日本にいるウクライナ人の助けとなるよう、完成したパンフレットについてウクライナ学生を受け入れている大学、その他公共施設、企業、ウクライナに関連する施設に設置を依頼していく予定です。

【リリア モルスカさんのコメント】
今では皆さんがウクライナのことをよく知っていますが、「ウクライナ人はロシア語を使っている」「ウクライナは1991年の独立前は、ロシアの一部だった」と思っている人もいます。これらは長い時間、ウクライナ人が黙認してきた結果だと思います。昨年、日本に来て多くの人からウクライナについて質問を受け、若いウクライナ人として新たなウクライナのイメージを伝えたいと思いました。日本人の友達と作ったこの『ヒマワリ』という冊子はウクライナの国民や習慣等を紹介しており、太陽のように昔の歴史と現在の状況の関係を明らかにするものと信じています。真面目なトピックのほか、年齢に関係なく楽しめる記事(ウクライナ料理のレシピ、音楽のオススメ、観光地など)もありますので、読んでくれたらありがたいです。Slava Ukraini! (ウクライナに栄光あれ!の意味)

【菊地里帆子さんのコメント】
私自身、東日本大震災の被災者として、リリアさんの経験と重なるところが多くありました。彼女の故郷が多くの方の目に留まってほしいと願う気持ちがこうして形になって嬉しいです。いつか平和な日が訪れたらこのガイドを片手にウクライナに足を運んでいただけたら幸いです。このガイドがウクライナの美しさを知る一助となることを願っています。

2022年2月24日、ウクライナがロシアに軍事侵攻されてからまもなく1年が経とうとしています。このパンフレットを読むことで、きっとみなさんもウクライナについてより身近に感じることができるはず。1日でも早く平和になり、ウクライナに旅行ができる日が訪れることを願うばかりです。


関連リンク
・「ウクライナのことをもっと知ってほしい」ウクライナ人留学生が日本人学生と母国に関するパンフレットを制作中!(武蔵野大学 HP)
URL : https://www.musashino-u.ac.jp/news/20221215-01.html