神奈川大学×JAXA コラボレーション特別イベント『人工衛星から地球をみる、宇宙をみる』開催

神奈川大学では2023年4月より理工系学部が再編し、5学部体制(理学部、工学部、建築学部、化学生命学部、情報学部)(※化学生命学部と情報学部は2023年4月開設)となり、全国型総合大学にある理工系学部の叡智、メリットを活かした教育・研究を展開。宇宙分野の研究も盛んで、*1宇宙科学に関する論文引用度指数ランキングが全体2位、私学1位を誇り、2021年にはハイブリッドロケット高度日本一、2022年には宇宙エレベーター昇降実験機が世界最速を記録するなど活発に取り組んでいます。

今回、3年振りとなる対面でのオープンキャンパス「2022 夏のオープンキャンパス(来校型)」が行われ、宇宙の暗黒物質の探索・研究をしている神奈川大学工学部の清水雄輝教授と地球観測衛星のデータを複合的に用いて解析・研究を進めるJAXA研究開発員が登場するコラボレーションイベント『人工衛星から地球をみる、宇宙をみる』が2022年8月6日(土)・7日(日)に神奈川大学の横浜キャンパスにて開催されました。

イベントでは、神奈川大学工学部の清水雄輝教授とJAXA第一宇宙技術部門の田中俊行さんが登壇し、自身の研究内容やキャリアについて語ってくれました。

まず、登壇した田中さんは“JAXAの地球観測衛星~社会における活用計画~”について話されました。

田中さんが所属するJAXA第一宇宙技術部門は、人々の暮らしに直接役立つ「人工衛星」の開発・利用を進める部署で、具体的に地球環境の観測・災害監視への取り組みや通信・測位技術の発展につながる研究開発などに取り組んでいます。これらの取り組みを通じて、人工衛星を利用して行われるナビゲーション、災害状況の把握など私たちの暮らしを宇宙空間から見守り、支える業務を行っています。田中さんが宇宙産業に進んだキッカケは、学生時代に世界各国で社会課題に取り組み、社会問題を解決したいと「宇宙×社会課題」がテーマになり、宇宙産業に進んだとのことでした。また、地球観測衛星とは、地球のまわりをまわって宇宙空間から時々刻々変化する地球環境を監視することを目的とした人口衛星で、人口衛星を利用すると地球上の様々な現象を同じ精度・時間間隔で観測することができるそう。
来年度打ち上げ予定のEarthCARE(アースケア)についても詳しく語ってくれました。欧州宇宙機関との国際協働プロジェクトで雲、エアロゾル、放射を全地球的に観測するEarthCARE(アースケア)。4つのレーダーを使用し、気候変動予測の精度向上が目的とのこと。EarthCARE(アースケア)は25日程かけて地球をまんべんなく観測できるそうです。EarthCARE(アースケア)によって天気予報の精度向上が期待でき、今後の天気予報もより当たるようになるかもしれません。また、気象衛星ひまわりでは得られない夜間のエアロゾル情報をEarthCARE(アースケア)では取得可能なので、黄砂予測の改善も期待できるとのこと!さらに火山灰やPM2.5の予測も目指していると話してくれました。

続いて登壇した神奈川大学工学部の清水雄輝教授は“暗黒物質の探索と宇宙実験装置の開発”について話されました。

宇宙全体をつくる成分は、天体や星間ガスなどが5%で、残りは暗黒物質が27%、暗黒エネルギーが68%なんだとか。暗黒物質とは銀河中を飛び交う小さな粒の可能性があり、予測される特徴として光や物質とほとんど反応しない・飛ぶ速さは光よりずっと遅い・宇宙ができた直後から安定に存在の3点が挙げられるとのこと。暗黒物質はまだ見つかっていない素粒子?と考えられていて、直接見た人がいないため正体はわからないそうです。
また、宇宙最大の実験施設である国際宇宙ステーションにも教えてくれました。宇宙実験は地上実験とは違い、故障しても修理がほぼ不可能なことや、厳しい宇宙環境への耐久として、温度変化や真空放電の熱・真空環境、主に太陽からの粒子の放射線環境、ロケットの振動・衝撃の打ち上げ環境の計3つの環境をクリアしないと実際に宇宙へ打ち上げられないことも教えてくれました。神奈川大学での宇宙科学研究では南極気球による暗黒物質の探索や地上から超高エネルギー粒子観測などを行っているとのことでした。

お二人でのクロストークでは、ご自身の研究や今後の可能性について、質問し合うなど、話が弾みました。田中さんは、「地球観測のデータが使用されている例として、身近なものでは天気予報がありますが、今後より一層生活に身近な存在として、一種のインフラになるといいなと思っています。地球観測のゴールはまだまだ先で、ゴールが見えないというのが現状です。宇宙に比べると、地球は細かくデータがとれる点はありますが、1つわかると10わからないことが増えるというジレンマを抱えながら研究を進めています。」とコメント。
清水教授は、「暗黒物質の正体を知りたいと思っています。暗黒物質は宇宙の重力を支配しているので、暗黒物質の正体がわかれば、宇宙の進化がわかるといっても過言ではないです。そのために、南極気球による暗黒物質の探索に取り組んでいます。この測定実験により、未だ解明されていない暗黒物質の正体を知れると思います。」と言っていました。終了後は、参加者から、「人工衛星が自分の生活にとって身近な存在であることにびっくりした」、「宇宙分野の学びは、他分野でも活用することができることが分かった」などの感想が聞かれ、宇宙に対する興味や人気の高さが伺えました。

今回のイベントでは私たちの暮らしを支えてくれている人工衛星や宇宙実験について知ることができました。今後も神奈川大学やJAXA第一宇宙技術部門での宇宙科学研究に注目です!
*1 『2022 大学ランキング』(朝日新聞出版)分野別論文引用度指数(2015~2019)参照
(参考)実はすごい!神大の「理工」
https://www.mirai.kanagawa-u.ac.jp/jindai-riko-times.html

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