綜合キャリアトラスト、障がい者専用テレワークオフィス「こといろ」オンライン説明会を開催

「働く」に関する社会課題をビジネスで解決する、キャムコムグループの株式会社綜合キャリアトラストは障がい者雇用の現状と綜合キャリアトラストの取り組みについてのオンライン説明会を2023 年 7 月 6 日(木)に開催しました。

日本においては、「障害者の雇用の促進等に関する法律」という法律が制定されています。この法律により、企業は従業員全体の一定割合以上で障がい者を雇用することが義務付けられています。現在の割合は2.3%であり、従業員数が43.5人以上の企業が対象となっていますが、2024年4月には企業の状況に応じて2.5%、2026年7月には2.7%へと引き上げられる見通しです。
このような背景から、近年では障がい者雇用の法定雇用率を満たすためだけの目的で、本来の業務とは関係のない雇用代行ビジネスが増加しており、国会や社会全体でもその利用の是非が問われています。
綜合キャリアトラストでは、労働人口の減少が進む中で、障がい者を社会的に貴重な人材として捉え、障がいを持つ人々が本来の業務において能力を発揮し、定着できるような雇用や就労支援を提供しています。
本日のオンライン説明会では、障がい者専用のテレワークオフィスである「こといろ」を活用し、地方に住む様々なスキルを持つ障がい者と都市部の企業を結びつける新しい働き方の提案や、障がい者雇用に関する取り組みの説明がありました。

まずは株式会社綜合キャリアトラスト福岡事業所長大野伸太郎氏がご登壇し、 障がい者雇用に関する制度改正及び、障がい者雇用をとりまく状況について説明されました。

障がい者雇用の法定雇用率について、令和6年4月から段階的な引き上げが予定されており、令和6年4月には雇用率が2.5%に、令和8年7月には2.7%に引き上げられる予定です。

障がい者雇用ビジネスに関連する実態の説明では、雇用率の達成のみを目的とした障がい者雇用代行ビジネスの利用に対して規制する動きがあることを説明されました。 この規制の背景には、障がい者雇用の推進において、単に雇用率を達成するだけではなく、障がい者の自立や能力の発揮、社会参加の促進が求められているという考え方があります。障がい者雇用は、単なる数値目標の達成だけでなく、障がい者自身が意義を感じ、働くことで社会的な経済的価値を創出できることを目指しています。

続いて、株式会社綜合キャリアトラスト「こといろ」コーディネーター 社会福祉士 森未奈さんがご登壇し、「こといろ」の説明を行いました。

「こといろ」は、“個性(こ)は人それぞれ(といろ)”というコンセプトから生まれた共同利用型のオフィスで、令和2年9月1日に福岡県での受託事業としてスタート。このオフィスは、障がいのある社員が企業に雇用される際に、従来の通勤方法ではなくテレワークを活用する新しいスタイルを提案しています。
「こといろ」の現在の利用状況は累計で53名の方が利用されており、障がい内容も統合失調症、うつ病、不安障がい、てんかん、ADHD、下肢障がい(車イス)、視覚障がい、など非常に多岐にわたっており、様々な障がいを持った方でも利用できる施設となっています。 施設内では、バリアフリーな設備やアシスト技術、情報提供がされており、利用者が個々の能力を最大限に発揮できるような支援が行われています。

企業側には、障がい者雇用に関する多くの課題が存在しています。まず、通勤問題や業務環境といった課題が挙げられます。障がいを持つ社員にとって、通勤は困難な場合が多く、職場の環境やアクセシビリティにも配慮が必要です。さらに、障がい者に対する接し方が分からず不安を感じる企業の声もあります。また、障がいのある社員が孤立してしまうという問題も浮上しています。
一方、障がい者側の課題としては、自身の障がいを十分に理解してもらえないことに悩んだり、一緒に働く仲間が欲しい、在宅勤務ではオンとオフの切り替えが難しいといった課題もあるとのこと。
そこで、「こといろ」では、柔軟な業務環境を提供し、障がい者同士が連携することで孤立感を解消する場を提供します。 “「こといろ」を活用して頂く事により様々な課題を解決させて頂くご提案をしていきたい”と語りました。

続いて「こといろ」の施設の紹介。
博多駅から徒歩4分でJR、西鉄電車、西鉄バス、地下鉄等、様々な公共交通機関でアクセスできる立地にあり、半個室のブース席、共有スペース、会議や休憩で使えるスペースもあり、受付には支援員が常駐しており、利用者の方が働きやすい環境作りであったり、日常的な精神面のフォローなどを受ける事が出来ると説明されました。

個人の空間に仕切られた半個室のブースが15ブースあり、仕事のしやすい空間となっており、利用者が自分自身の業務に集中できるような環境を提供しています。

この共有スペースは、利用者同士が交流し、コミュニケーションを取る場として活用されています。昼食の時間や小休憩の合間に、利用者同士で会話を楽しんだり、また、支援員の声かけにより1日に一度利用者たちで一緒にストレッチを行っており、健康やリフレッシュにも取り組んでいます。

今後、全国の企業向けに展開していく「こといろ」。障がい者雇用のさまざまな課題の一助を担うことに期待が集まります。


施設名:福岡県障がい者テレワークオフィス「こといろ」
所在地:福岡県福岡市博多区博多駅東1-1-33 はかた近代ビル3階
TEL: 092-518-3610
URL:https://telework-fukuokaken.jp/kotoiro/