2 人に 1 人がこれまでの消費行動を変える意向に!より自分らしいライフスタイルを実現するための『換え活』がこれからのトレンド!

近年、円安・物価高騰や SDGs のワードをテレビや新聞、ネットなどでよく見聞きするようになったが、『換え活』という言葉はご存知でしょうか。「換える」という字は、ある物を手放して同じくらいの価値がある別のモノと取りかえるということで用いられる言葉で、『換え活』とは自分にとって価値があるものは何かを考えること!コロナ下により、個人の消費やライフタイルがどのように変化しているのかを、株式会社タイムカレントが調査した結果、“2 人に 1 人がこれまでの消費行動を変え、コロナ禍や SDGs ブームを背景に自らのライフスタイルを重視する傾向にある”ということがわかりました。

『消費・ライフスタイルに関する調査』において「商品やサービスの選び方」について質問したところ、商品やサービスなどの選び方を変えたり、変えたいと思ったと回答したのは 52.1%と、半数以上を占める結果となりました。理由は「ライフスタイルに適したものを考えるようになって」が 34.4%、「充実した毎日を過ごしたいから」が 31.1%、「自分の価値観・倫理観の変化に合わせて」が 28.8%といった声が上位に挙がっています。これらの結果から、より良い商品・サービスへの乗り換えで、自分らしいライフスタイルに変えたいという傾向が見えてきました。

また、商品やサービスの選び方を変えた・変えたいと回答した方に、新型コロナウイルス感染症や SDGs ムーブメントがどの程度影響しているかを聞くと、新型コロナに関しては「影響した」が 18.2%、「どちらかと言えば影響した」が 34.7%と計 52.9%が、また SDGs に関しては「影響した」が 11.5%、「どちらかと言えば影響した」が 22.8%と計 34.3%が影響を受けていることが判明。さらに SDGs ムーブメントが選び方に影響があったかを年代別でみると、20 代と 30 代では計 4 割を超え、若年層に影響を与えていることがわかりました。

より自分らしいライフスタイルが実現する商品に切り換える「換え活」がこれからのトレンドに。経済・経営コンサルタントのプロ 坂口孝則氏が解説
自律的な選択によって商品を選ぶ「消費 3.0」時代へ。まさに今が「換え活」の時。
現代は VUCA(予測不能な時代)といわれます。まさにコロナ禍や急激な値上がりは象徴的です。そのなかで商品を選ぶ軸が大きく変化しています。人気がある、コスパがよい、自慢できる、といった志向から、SDGs やタイパなどより良い社会や生き方を求める傾向への変容です。アフターコロナにおける内から外に出て消費しようとする流れのなかでもこの傾向は変わりません。限られた時間と収入をいかに振り向けていくか。食品や日用雑貨ではエシカルであることが求められ、投資や趣味・レジャーなども充実した人生への寄与が重要です。商品が良ければいい時代(消費 1.0)から、消費者が満足すればいい時代(消費 2.0)を経て、商品選択によって自分を社会もよりよくしていく時代。これは消費 3.0 といってもいいでしょう。自律的な選択によって商品を選ぶ。まさに現在は「換え活」が必要な時代です。
*VUCA:Volatility・Uncertainty・Complexity・Ambiguity の頭文字を取った造語で、社会やビジネスにとって、未来の予測が難しくなる状況のことを意味します。
*タイパ:タイムパフォーマンス、時短を優先する志向(嗜好)

<坂口孝則氏プロフィール>
経営評論家、調達コンサルタント。大阪大学卒業後、企業で調達・購買・原価企画・
仕入れ業務を経験。電機、自動車会社勤務を経て、現在は未来調達研究所株式会社所属。調達・購買・資材業務のコンサルティングと、仕入れ観点から商売とビジネスモデルの解説等を実施。書籍 37 冊。いまではコンサルティング、講演、研修などを行いつつ、メディアに登場したり、本を書いたりと活動。

人気ファイナンシャルプランナー 飯村久美氏も「換え活」の兆しを実感。
コロナや物価高など、社会情勢が大きく変わっている今、家計を見直したり自分のお金と向き合ったりする人が増えてきたように思います。ファイナンシャルプランナーのもとに相談に来られる方は、従来ライフイベントに備えるために支出を見直したいという人がほとんどでしたが、最近はライフイベントに関わらず、家計を気にしながら商品やサービスの選び方を見直したい人が増えてきており、「換え活」ムーブメントの高まりを感じつつあります。私がおすすめしたい「換え活」は、このところの物価高を踏まえ、食品は「プライベートブランド」の利用を増やしたり、またオーガニックなものや環境に配慮されたものにもこだわるような選び方に換えることです。相談に来られる方の中には、スマホや電力会社選びにおいて、コストを気にしながらもご自身やご家族のライフスタイルとの相性を踏まえて契約サービスを考えている人も多いです。家計の見直しをする時は、固定費から見直すとよいでしょう。固定費は自動引き落としになっているため、見直しのメスが入りにくい支出です。アンケートでも盲点になっていた自動車保険の見直しもおすすめです。よくわからず勧められたまま継続している人も多いので、必要な補償を確認し本当に自分に合ったサービスを探してみてはいかがでしょうか。

<飯村久美氏 プロフィール>
FP 事務所アイプランニング代表。ファイナンシャルプランナー。金融機関勤務を経て FP として独立。家計から日本を元気に、という想いでお金の話をわかりやすく伝えている。テレビやラジオなどメディア出演多数。
近著に「お金の先生!できるだけ簡単にお金が増える方法を教えてください。」(アスコム)。

テレワークの導入による働き方の変化、休校によるオンライン授業の導入などパンデミックを機に様々な場面において誰もが変化することを求められてきました。これまで当たり前だったことが、当たり前ではなくなり、最初は戸惑いもありましたが、やがてたくさんの選択肢が目の前に広がっていることに気付き、新しい生活様式を自ら選び始めていることでしょう。
例えば旅行での『換え活』は、お盆やお正月・大型連休などの混雑する時期や時間をずらす「ずらし旅」。定番で密集しがちな旅先をずらす、移動手段をずらすなど、定番からチョットずらすことでいつもと違う発見を楽しむ旅のことです。
『換え活』という言葉を知らなくても、何気なく自然と『換え活』を日常生活に取り入れていたという方も多いのではないでしょうか。
まだという方はこの機会に、自分にとって価値があるものは何かをぜひ考えてみては?