家の引き出しや棚の奥に、使わなくなったスマートフォンが眠っている――そんな経験はないでしょうか。機種変更のたびに増えていき、気づけば何台も手元に残っている。けれど「ちゃんとデータは消えるのか」「いくらくらいになるのか」と考えると、なかなか手放せない。多くの人が感じている、そんな“ちょっとした不安”に目を向けた新CMがこの春スタートします。
ゲオモバイルの新CMシリーズでは、佐藤二朗さんと佐々木希さんが初共演。少し頼りなさげなお客さまと、明るく前向きな店員という対照的な役どころで、店頭でのやり取りをコミカルに描いています。中古スマホという身近なテーマを、笑いを交えながらどう表現しているのか。その掛け合いに注目が集まりそうです。
家の奥から聞こえる“スマホの声” 眠らせたままにしていませんか
今回のCMシリーズでキーワードになっているのが、「埋蔵スマホ」という少しユーモラスな言葉です。宝物のように大切にしているわけではないのに、なぜか家の引き出しや箱の中にしまわれたままになっている古いスマートフォン。機種変更のたびに増えていき、「とりあえず取っておこう」と思った結果、気づけば何台も……という人も少なくないのではないでしょうか。
スマホは、ただの機械ではありません。写真や動画、メッセージ、連絡先など、その人の時間が詰まっています。だからこそ、簡単には手放せない。データは本当に消えるのか、思ったより安く買い取られてしまうのではないか。そんな小さな不安が重なり、結果として“眠らせる”という選択をしてしまうのかもしれません。
本シリーズは、そうした気持ちを前提に物語を組み立てています。テーマは「価格」と「安心」。難しい説明を前面に出すのではなく、多くの人が感じているであろう戸惑いや疑問を、あえてコミカルに描くことで、少しだけハードルを下げています。
家のどこかにあるかもしれない古いスマホ。その存在を思い出させるところから、このシリーズは始まります。笑いの中に、どこか心当たりのある感覚が潜んでいる――そんなエンタメ性が、今回のCMの土台になっているように感じられます。
迷えるお客さまと太陽のような店員 コミカルに描く3つの物語

CMシリーズの軸となるのは、佐藤二朗さん演じる“少し自信なさげなお客さま”と、佐々木希さん演じる“明るく前向きな店員”の掛け合いです。設定自体はシンプルですが、その温度差が絶妙で、思わずクスッと笑ってしまうやり取りが展開されます。
「スマホ買取」篇では、売るかどうか迷いながら来店したお客さまの戸惑いが描かれます。価格への不安や疑問をにじませる佐藤さんに対し、佐々木さんはあくまで爽やかに対応。そのやり取りの中で、“売ること”が少し身近な選択肢に見えてくる構成になっています。
続く「埋蔵スマホ」篇では、家に眠ったままのスマホというテーマが前面に出ます。どこか後ろめたさを感じさせるお客さまと、前向きに背中を押す店員。その対比がユーモラスに描かれ、タイトルの言葉自体が印象に残る仕上がりです。
そして「消したい過去」篇。少し意味深なタイトルですが、ここでもポイントになるのはデータへの不安です。スマートフォンに残る“過去”という言葉を、笑いに転換しながら描いている点が印象的です。重くなりがちなテーマを軽やかに扱うことで、安心感をさりげなく伝えています。
いずれの篇にも共通しているのは、情報を詰め込むのではなく、二人の関係性で見せる構成です。どこか自信なさげなお客さまと、太陽のように明るい店員。そのコントラストが物語を動かし、気づけばサービス内容よりも“やり取り”が記憶に残る。そんなエンタメ性が、このシリーズの魅力と言えそうです。
CM概要
現場でも続いた軽快な掛け合い ふたりの素顔がのぞく撮影エピソード
CMの中だけでなく、撮影現場でも二人の掛け合いは健在だったようです。インタビューでは、佐藤二朗さんが冗談を交えながらコメントし、場の空気を和ませている様子が伝わってきます。佐々木希さんとの共演についても、ユーモアを交えつつ語る姿が印象的です。
佐々木さんは、幼い頃からゲオに通っていた思い出があることを明かしています。かつて利用者だった場所のCMに出演するというのは、本人にとっても感慨深い経験だったのかもしれません。そうした背景があるからこそ、店員役としての自然な笑顔にも説得力が生まれています。
また、インタビューではプライベートの話題にも触れています。佐藤さんは、もし買取で思わぬ臨時収入があったら少し高いお酒を買いたいと語り、佐々木さんも晩酌好きであることを明かしています。日常の延長線上にあるようなエピソードが、CMの親しみやすさとも重なります。
さらに、佐々木さんは7歳のお子さんと自転車の練習をしていることを話し、暖かくなったら一緒にサイクリングをしたいという春の目標を語っています。一方の佐藤さんは、奥様とジャンプ運動を続けていることを明かすなど、家庭での一面も垣間見せています。
メイキング映像では、撮影の合間にも笑いが絶えない様子がうかがえます。佐藤さんが場を盛り上げるムードメーカー的な存在であることも感じられ、CM本編の軽快なテンポが、こうした現場の空気感から生まれていることが伝わってきます。
作品としての完成度だけでなく、二人の人柄や関係性がにじむ撮影エピソードも、このシリーズを楽しむポイントのひとつと言えそうです。
出演者プロフィール

佐藤二朗さん
1969年5月7日生まれ、愛知県出身です。1996年に演劇ユニット「ちからわざ」を立ち上げ、本格的に俳優活動を始めました。福田雄一監督作品の『銀魂』シリーズなどでも知られ、独特の存在感で幅広い作品に出演しています。近年は映画『memo』で初監督・脚本を担当するなど、俳優だけでなく脚本・監督としても活動の幅を広げています。2026年には原作・脚本・主演を務める映画『名無し』の公開も控えています。

佐々木希さん
1988年2月8日生まれ、秋田県出身です。2006年に芸能界デビュー以降、映画・ドラマ・CM・雑誌など多方面で活躍してきました。自身がプロデュースするワンマイルウェア「INTIMITE(アンティミテ)」も展開しており、FRaU Webでは「佐々木希のなにはともあれ、ナチュラルワイン!」を連載しています。
不安を笑いに変えるという選択
スマートフォンは、もはや生活の一部です。だからこそ、手放すときには少し慎重になります。価格への期待と、データへの不安。そのどちらも決して大げさなものではなく、多くの人が感じている自然な感情です。
今回のCMシリーズは、そうした気持ちを否定するのではなく、笑いに変えることで距離を縮めようとしています。迷いを抱えたお客さまと、明るく受け止める店員。そのやり取りはどこかコミカルでありながら、現実の心情にも重なります。情報を押し出すよりも、関係性で見せる。そんなエンタメとしてのバランスが印象に残ります。
家の奥に眠っているかもしれない一台のスマートフォン。その存在を思い出したとき、少しだけ前向きな選択肢が浮かぶかもしれません。笑いをきっかけに、不安が期待や安心へと変わる――そんな空気感をまとったCMシリーズです。









